近年、最も進化しつつある二足歩行ロボット。ロボットが二足歩行する事さえ驚きなのですが、現在ではお話しをしたり、ダンスをしたり、コミュニケーションが取れたりなど、人間に近いロボットが世間でも大変話題となっております。しかし現在のような魅力的なロボットになったのには、様々な苦労と努力があったのです。二足歩行ロボットがどのように開発されてきたのか、歴史を辿っていきたいと思います。
>> 二足歩行ロボットの歴史
《倒立振子を利用した歩行》 はじめて二足歩行ロボットが研究対象となったのが、1970年頃です。当時は、倒立振子を利用した技術を取り入れていました。振子が倒れないようにスライダで制御するという2重倒立振子、3重倒立振子の成功例が上がった事から、いずれ二足歩行の制御が可能になると考えられていたのです。 しかし、当時のモーターや構造材が貧弱だったため、実際に動かすとなるとかなり難しく倒立振子のロボットは失敗に終わったのです。
《二足歩行の原理究明》 1980年頃には、拘束条件や制御方法、ハードウェアなどが研究され、ZMP理論に基づく二足歩行が開発されました。しかし、一歩進むのにおよそ5秒の時間を要するため、直進での静歩行がやっとでした。そのため歩くスピードを上げ、でこぼこ道や坂道など、あらゆる地面上での歩行を可能にしなければならない課題が残りました。 この時のZMPは、ホンダのASIMOをはじめ完成度の高い二足歩行ロボットの原型です。
《上半身の発見》 人間のような歩行を行なうロボットをつくるためには、上半身の作用が極めて重要である事を発見しました。これまでの二足歩行ロボットは、足首のアクチュエータが重要で、末端にはかなりの重量がかかっていました。足首の重量が原因により、片足を上げるだけでロボット自体の質量の半分以上が動いてしまうため位置の変化が激しく、ロボットが転倒するという事が分かったのです。
《人間の歩行研究》 スムーズな歩行をするために、人間の歩行研究と解説を徹底的に行いました。更に、動物の歩行に加えあらゆる歩行を観察し、二足歩行に必要な関節の配置や動きの研究に励みました。 その研究を元にプログラムを作成し、ロボットに移植して実験を行なうと時速1.2Km/hの動歩行に成功する事ができたのです。
《歩行の安定化技術》
動歩行には成功したのですが、地面の段差やうねり、斜面などの走行は課題として残っていました。そこで、転倒しない安定した技術の研究に取り組んでいきます。 そこで、開発されたのが3つの制御技術です。制御技術を開発した事により、階段や斜面でも安定した二足歩行を実現させる事ができたのです。
その後も、人間型ロボットを実現させようと様々な研究が進み、ホンダがP1・P2・P3・P4を経て完全自立歩行人間型ロボットASIMOが完成したのです。そして今もシンガを続けています。
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ロボットは電気街で夢を見るか(後篇)
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